むち打ちでMRI異常なしでも後遺障害の認定を受けるレシピ

むち打ちの治療

むち打ちの治療〜後遺障害診断書を視野に入れて

むち打ちには、さまざまな治療方法があります。交通事故で後遺症が残り、保険会社から支払われる賠償金(慰謝料)を大幅にアップさせるためには、「後遺障害の認定」が必要になります。そして、「他覚的所見なし」のむち打ち被害者が「後遺障害の認定」にもっとも必要なものは、あなたの主治医が書く「後遺障害診断書」です。

「後遺障害診断書」は、カルテをもとに記載しますので、そのカルテに記載される治療内容はきわめて重要になってきます。むち打ちの治療には、さまざまなものがありますが、「後遺障害の認定」を考えた場合、特にトリガーポイント注射と星状神経節ブロック注射は、非常に有効的なアプローチとなります。

なぜ、これが後遺障害の認定に有効的なアプローチだといえるか、分かりますか?
それは、トリガーポイント注射なり、ブロック注射なり、それはあなたの主治医があなたのむち打ちに対し、少なくとも「何かしら神経症状を認めた」ことになるからです。逆をいえば、このどちらもしていないとなると、「神経症状はなかった」もしくは、それに近い判断になることが多いのです。

先にもご説明しましたが、治療内容はカルテに記載され、そのカルテは後遺障害診断書のもとにもなります。非常に重要なことですので、以下、むち打ちの治療についてご紹介しますので、ご参考にされて下さい。

トリガーポイント注射と星状神経節ブロック注射

簡単にいうと、トリガーポイントは「おおよそのゾーン」に注射し、星状神経筋ブロック注射は「ピンポイント」です。そしてトリガーポイントより星状神経筋ブロック注射のほうが(作用が)強いとお考え下さい。

つまり、星状神経筋ブロック注射はトリガーポイント注射とは違い、そんなにしょっちゅう打つものではありません。どちらも、痛い場所の神経の近くに薬(局所麻酔)を注射することで、一時的に神経の興奮を抑え、血行を良くして痛みや緊張を和らげることを目的とした治療です。ただし、悪くいえば「痛みをごまかす」あるいは「麻痺させる」というものなので、根本的な治療にはなりません。あくまでも耐え難い痛みや痺れを一時的に抑え、痛みや痺れが自然と(自己治癒力などで)緩和されるのを待つというようなイメージです。

痛み止めの薬

痛み止めにはさまざまなものがあります。むち打ち症の場合は外用薬つまり貼り薬(湿布)も鎮痛剤です。最近、アドバイスしている方々の中でよくあるパターンが、ミオナールロキソニン、少し時間が経過しても痛みや痺れの症状がなくならない場合は、リリカを処方してもらうというものです。

リリカ
中枢神経系においてカルシウム流入を抑制し、グルタミン酸などの興奮性神経伝達物質の遊離を抑制することにより、過剰に興奮した神経を鎮め、痛みを和らげます。 通常、末梢性神経障害性疼痛や線維筋痛症に伴う疼痛の治療に用いられます。

リリカの注意点
めまい、傾眠、意識消失などがあらわれ、自動車事故に至った例もあるらしいです。処方にあたって「自動車の運転など危険を伴う機械の操作は避けてください」とありました。

リリカを処方されているということは何かしらの神経障害があると医師が判断したということになりますが、「めまい?それは事故ではなく、リリカのせいじゃないですか?」と
なり兼ねませんので気をつけて下さい。

マッサージ〜漫然治療にならないように気をつけよう

通院している病院にリハビリ施設がある病院も多いと思います。マッサージでむち打ちが緩和すれば、それに越したことはありませんが、むち打ちは神経症状が多いため、現実的にはなかなかマッサージだけでは良くならないケースが多いでしょう。

他の治療を併せて上手に活用して下さい。ただし、リハビリは毎回マッサージだけだと間違いなく保険会社の担当者からツッコまれるのでご注意下さい。

頚椎の牽引

これは、むち打ちの治療という観点からも有効的であり、後遺障害の認定に向けても弊害になる治療ではないと判断しています。

湿布〜「どうせ治療費は保険会社が支払う」という考えは禁物

湿布をもらうことには十分に気をつけて下さい。受傷直後は、(お約束のように)湿布を出す医師も多くいますが、神経症状は湿布では治りません。つまり、湿布をもらい続けるということは、あなたのむち打ちは神経的な問題ではないと医師が診断している可能性があります。

受傷から一定の時間が経過しても、湿布をもらい続けると、後に後遺障害を申請する際、「神経がうんぬんかんぬん」と主張しても説得力に欠けます。

頚椎カラー〜むち打ちの初期段階だけにしよう

無意識的(反射的)に首を動かしてしまうときもあります。頸椎カラーを使用することで、そのようなときも首を動かしてしまわないので、むち打ちの初期には有効です。

ただし、長期間使用すると、(首を動かさないので)筋力が衰えます。「(首の)筋力が衰えたのはあなたが頸椎カラーをずっと付けていたからでしょ」となり兼ねませんので、使用する期間についてはご注意下さい。

むち打ちの基本的な治療法(軽度〜中度)

むち打ちは、初期の対処を間違えてしまうと回復に時間がかかることがあります。事故直後の急性期は安静にすることを心がけて下さい。
安静を保つため、カラーなどで頸部を固定します。
また、患部の炎症をおさえるため冷やします。
痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤を服用します。
受傷から1周間前後で患部を温め血行を促します。
カラーは1ヶ月〜1ヶ月半程度で使用をやめます。
なお、2ヶ月も3ヶ月も頚椎カラーを使用することは、筋力の衰えにもつながります。
※上記は一般的な流れです。主治医に確認して下さい。

注意点
漫然治療や適切でない治療、薬の副作用など、それが原因で後遺障害認定の弊害になったり、治療打ち切りの時期を早める理由付けを自らつくってしまうことにご注意下さい。

さぁ、次はいよいよ「他覚的所見なし」のむち打ち被害者が「後遺障害の認定」を受けるために最低限必要になってくる「むち打ちの検査」についてご説明します。ちょっと、退屈になってきましたか?初期診断で「他覚的所見なし」のあなたの後遺症を「後遺障害」へと導くために必要な重要項目ですので、必ずお読み下さい。

むち打ちの検査〜後遺障害申請のためにこれだけはおさえておきたい