知っておこう!交通事故慰謝料の基準と計算方法
知っておこう!慰謝料の基準と計算方法
交通事故の慰謝料には、2種類あります。
それは…
①入通院慰謝料
②後遺障害慰謝料
「後遺障害慰謝料」とは、あなたの「後遺症」が「後遺障害」として認定された場合に、「入通院慰謝料」とは別に支払われるものです。(参考:後遺症と後遺障害の違い)
今回は、①の「入通院慰謝料」についてご説明します。
入通院慰謝料には3つの計算方法(基準)がある
・自賠責基準
・任意保険基準
・裁判基準(弁護士基準)
3つの基準の違いはなに?
それは...
自賠責基準の慰謝料計算式
入院は入院期間、通院は実通院日数を2倍したものと、治療期間を比べてどちらか少ない日数。自賠責保険の計算基準は法廷で決まっており、慰謝料は1日4,200円となっています。
つまり…
・実通院日数×2
・治療期間
上記いずれかの少ない方に4,200円をかけて計算します。
(例)治療期間80日、実通院日数35日
35×2<80 となりますので、「実通院日数の70日」を採用。
治療期間80日、実通院日数45日
45×2>80 となりますので、「治療期間の80日」を採用。
この「自賠責基準」ですが、保険会社があなたに支払う総支払い額(治療費、休業損害、通院費、入通院慰謝料など)が120万円を超えない場合に限り採用されます。総支払い額が120万円を超える場合、保険会社は、「総支払い額が自賠責基準の120万円を超えたため、任意保険基準に基づき算出」してきます。
それが次項の「任意保険基準の慰謝料」です。
任意保険基準の慰謝料計算式
慰謝料算定では1ヶ月=30日とします。下の表をもとに、症状や程度によって増額されたり、月平均の通院日数が少なければ減額されるなどの調整がなされます。
※任意保険基準は保険会社によって異なりますが概ね次のようになります。
単位:万円
(例)あなたの通院期間が230日だった場合、7ヶ月+20日です。「+20日」という箇所の計算方法ですが、上の表では、7ヶ月→70.6万円、8ヶ月→76.8万円となっていることから、76.8-70.6=5.2となり、この5.2(万円)を20/30(30日中の20日間)でかけます。そうすると、7ヶ月+20日の任意保険基準の慰謝料は、70.6万円+3.47万円で計740,700円となります。
任意保険基準の慰謝料は以上のような計算になりますが、当然、保険会社と交渉するときは、次項の「裁判基準(弁護士基準)の慰謝料」で請求しましょう!
裁判基準(弁護士基準)の慰謝料計算式
むち打ち症などで他覚的所見がない場合(損害賠償額算定基準:別表Ⅱ)
上記以外の場合の傷害部分の慰謝料基準表(損害賠償額算定基準:別表Ⅰ)
上記の裁判基準・弁護士基準の慰謝料とは、あなたが実際に裁判をしたり、裁判をしなくとも弁護士に依頼(交通事故紛争処理センター含む)した場合に主張できる金額です。あくまでも「主張できる」ということであり、裁判をしたり、弁護士に依頼したからといってそれが100%認められるわけではありませんので勘違いしないようにして下さい。
大事なことは、交通事故紛争処理センター等を活用し、この基準を採用する根拠(材料)をつくり、保険会社と交渉することです。妥協点が80%で上出来だと考えて下さい。交通事故紛争処理センターは、無料にもかかわらず、保険会社に裁判基準を採用させるための根拠づくりができる実にありがたい存在なのです。是非とも活用したいところですね。
とにかく保険会社に騙されたくない人はこちら