むち打ちでMRI異常なしでも後遺障害の認定を受けるレシピ

後遺障害診断書とは

後遺障害診断書〜医者は書きたくないと思っている

後遺障害診断書

後遺障害の申請をするにあたり、この「後遺障害診断書」という書類が必要になります。
主治医に書いてもらうわけですが、そこにはさまざまな注意点があります。MRIや針筋電図などで他覚的所見がなかった場合、最も重要となるのが後遺障害診断書です。後遺障害診断書は、通常の診断書(ほとんどがA4)とは違い、A3用紙になっています。

それだけ検査項目がたくさん載っています。しかし、検査項目は多く載っていますが、驚くことにほぼ白紙状態で後遺障害診断書を作成する医師もいますのでご注意下さい。

基本的に、医師は後遺障害の訂正や追記を非常に嫌うことから、はじめに書いてもらうときに、しっかりと書いてもらうことがベストです。
次の4点が大きなポイントになります。

1.症状に一貫性・連続性が見られる
2.神経学的な検査の結果が記載されている
3.緑枠欄に症状が残存している旨と、その理由を神経学的に説明できている
4.青枠欄において、「今後症状が改善する見込みは低い」といった旨が記載されている

後遺障害診断書にまつわる勘違い

受傷から6ヶ月(あるいは3ヶ月)経過間近になると、保険会社の担当者からこのような連絡が入ります。「むち打ちで◯ヶ月以上は無理です。あとは後遺症の申請して下さい。」言葉が多少違うかもしれませんが、だいたいこんなようなことを言ってきます。

このとき、相手は「後遺障害は、そんなに簡単に認定されないよ」と思っていますが、さも「申請をすれば認定される」かのような言い方をしてくるので、注意が必要です。

勘違い その① 主治医に申し出れば書いてもらえる

基本的に、後遺障害診断書を積極的に書こうとしてくれる医師は少ないでしょう。面倒なことは嫌だし、書き方が良く分からないからです。

私はそのとき、僭越ながら、「◯◯という言葉は△△という言葉で書いて下さい」など、いくつかお願いしました。もちろん、主治医への言い回しには非常に気を使いました。

治療に関しては、シロートの私がプロのお医者様に後遺障害診断書の書き方を指示(お願い)するなど、生意気もいいところです。

しかし、こちらは、その後遺障害診断書の書き方ひとつで14級に認定されるものが非該当になることもあり得ます。というか、他覚的所見がない上に後遺障害診断書が雑に書かれていれば間違い無く非該当でしょう。

「あなたの場合、後遺障害診断書は書けない(書かない)」と言われないような病院の「かかり方」をしていなければなりません。仮にそう言われてしまったときに、他の病院で「後遺障害診断書だけ書いて下さい」と言っても、書いてもらえませんのご注意下さい。

また、最近、相談を受けているケースで多いものは「医師が後遺症になると言っていた」「医師が後遺障害14級に相当すると言っていた」というものです。

前者は、そのとおりです。
あなたが「痛みや痺れが残存している」と主張すれば、それは間違いなく「後遺症」です。しかし、「後遺症」と「後遺障害」は違いますから、勘違いしないようにして下さい。

後者は、かなりの確率で無責任な発言だと思っておいたほうが無難です。後遺障害が認定されるかされないかでは、賠償金は雲泥の差といってもいいでしょう。仮にあなたや私が主治医だったとして、患者さんに「後遺障害認定されますか?」「後遺障害何級になりますか?」と聞かれた場合、実際にそう思ったとしても、予想がはずれて怨まれるのも嫌ですし、後々、お金に大きく関係することですので、無責任な発言も控え、「なんともいえない」と答えるのが普通ではないでしょうか...まず、何より医師は後遺障害については、シロート同然ですから、聞くだけ無駄です。

勘違い その② 後遺障害診断書はしっかり書いてもらえる

むち打ちで、6ヶ月以上通院し、後遺障害診断書を書いてほしい旨、医師に申し出、こちらが特に何も言わずともしっかりと書いてもらえる可能性は極めて低いと考えて下さい。

「どのように書けば認定されやすいか」ということを医師は知りません。また、医師は治療するのが仕事であり、被害者が14級に認定されようと非該当になろうとまったく興味がありません。(当然です)

  • 後遺障害診断書の書き方がよく分からない
  • 面倒なことは嫌だ
  • 認定されようがされまいが興味が無い

基本的には、このように考えている医師が多いと思っておいて下さい。
たとえば、あなたが過去に腱反射で消失だったとか、スパーリングテストで陽性だったとか、検査をしたはずなのに、その検査について書かれていない場合、医師に確認して下さい。理由を聞いて下さい。(指摘ではなく質問して下さい)

もちろん、その検査内容が書かれているだけで14級に認定されるわけではありません。詐病不可な腱反射はまだしも、スパーリングテストやジャクソンテストなどの誘発テストは、その結果自体が大きな意味を持つことはありません。

「以前に◯◯検査で陽性だったはずだが、それは何故記載されていないのか?」「あっ!そうだね。それも書いておこう」←書き漏れ
いや、笑いごとではなく、こういうことが平気でありますから、こちらが意識しておかないといけません。くれぐれも言葉遣いや言い回しにはご注意下さい。


このように、「事前にこちらが意識して気をつけておかねばならない」ということは他にもあるわけです。非該当になる人たちは、ただ、こういうことを知らないだけなのです。

その「ちょっとしたコツ」を知らないだけで、非該当になることはありません。非該当になるということは、せいぜい30〜50万円程度の金額があなたの口座に振り込まれて、はい、おしまい。ということです。

しかし、「ちょっとしたコツ」を知れば、後遺障害14級の認定を受け、通常の通院慰謝料とは別に後遺障害慰謝料と逸失利益が支払われますので、当然、賠償金は跳ね上がります。

後遺障害のコツ